ham-R インタビュー

about it Arial, sans-serif; margin:0; padding: 3px 4px; color:#999;”>MIXTAPE 142 – STAYING OCCUPIED by Mixtape Show / Dex Digital on Mixcloud


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INTROLUDE. Knxwledge. – Kafe @Knxwledge
5lack/Slack – ????
Hodgy Beats – Memorex Cds @killhodgy
Rimco – Chrono Trigger ‘Winds of Time’ OC Remix
Sticky – Where’s My Money
Snubnose Frankenstein – The 6th Man @ snubdogg
Key – KeyKey @keiopensdoors
OUTROLUDE. Holy Girl – How to Stay on the Ground (demo clip)

things changed radically for me in some ways and stayed the same in others. we must protect lil b at all costs. thanks to those who waited.

ham-R.

日本語ラップ・ファン、いや、日本の音楽の最先端に興味のある人ならこの名前を知らない人は多分いないと思う。だが、知られているのは名前と音楽だけで、他の事は謎が多い。映像を作るが滅多に画面に顔を出さない。いろんなところで話題になるが自分から自分の話はしないし、インタビューに滅多に答えないらしい。ツイッターはつかわない。ブログは1年前から放置状態。数ヶ月以内に4本ものミックステープを出し、また姿を消す。考えてみれば、それは2年前の話だ。

そう、突然STAY HUNGRY STAY FOOLISHを発表してから既に2年も経っているが、今聞いてもやばい(ご本人の意見はさておき)。

この一連の作品に圧倒され、アルバムに期待していた人は多いはず。わたしもそのひとりだった。

しかし、2年たってもアルバム出ないし、曲も出ない。いったい、ham-rはいま何している?

ということで、本人に6つほどの質問を質疑応答形式で訊いてみた。これはもともとアメリカの雑誌の取材のために行われたインタビューなので、質問は若干「海外視点」になっているかもしれない。ただ、読み返してみたら興味深いものがあったので、本人の許可を得てここにもアップさせていただきました。

↓ ↓ ↓

まずは簡単な自己紹介をお願いします(出身、趣味、ラップ・プロデュースするようになったキッカケなど)

創作活動時の名をham-Rと申します。東京出身。趣味は特にございません。幼少時より映画監督になりたくて、映画に必要な要素を片っ端から習得しようとしたのが音楽活動のキッカケです。長年絵を描いていて芸術全般を勉強していたのですが、20歳位の時に音楽の制作も始めました。その流れで制作会社を立ち上げたり、PV監督を務めたりと、現在も映画を撮るための準備段階にあるような未熟者です。

僕の印象なんだけど、日本語ラップってここ3年までは、オンラインで、しかも無料の作品を出すのはあまり普通ではなかった。でもたとえばアメリカでは、かなり前から、ネットでミックステープを宣伝のツールとしてタダで出すのが当たり前になっています。そのギャップはどこからきたと思います?

なかなか難しい質問です。
日本の国民性は根本的に外来のものに対して閉鎖的なので、おそらくそれが本質的な要因でしょう。島国、小さな国土・高い人口密度であることによって国民の「安定性」に対する欲求が非常に強いので、本来大きな変化を受け入れる体質ではありません。クリエイター・アーティスト単位で言及すると、バイタリティーの低さ、それによる新しいネットインフラに対する認識の甘さが一因なのではないでしょうか。クリエイター・アーティストを支えるサポート側、いわゆる業界の人間というのは既存のシステムから逸脱することを嫌います。短期的には見込める収益を欠くのでプロモーションといえどなかなかフリーコンテンツを扱うインフラを整えようとは考えないものです。それは海外でも同様でしょう。
つまりプロモーションにも関わらず、クリエイター・アーティスト側が自ら動かなければ、「ネットを利用しプロモーションとしてフリーツールを展開する」という概念は発生しない訳です。
ただ、上記の国民性によるものなのか、日本のクリエイター・アーティストの間で、それがなかなか発生しませんでした。直接的なギャップをもたらした原因はそこにあるのかもしれません。

まえ、日本人はパソコンをあまり使わなくてむしろ携帯でネット・メールするとか、という話をした記憶があるんだけど、それも関与していると思います?

携帯の話は、いわゆるガラパゴス化現象を説明したかったのだと思います。ガラパゴス化が世界からの孤立化を招き様々な弊害を各方面に及ぼしていましたが、独自のネット自体は存在していましたし、ユニークな文化を形成できた一面もあるので、必ずしも大きな要因とは言えないかもしれません。

ミックステープの質問の続きですが、早い段階から無料でミックステープを出してた人として、当時の考えについて少し教えてください。

2009年、「A Day On The Way」という最初のミックステープを我が社から発表しました。当時僕の部下だったDJ UWAYこと現ユニバーサルミュージックA&R三上氏と考えていたのは形式の輸入です。質問1にあるような概念を日本で流布する簡単なきっかけ作りをしようとしたのです。三上氏が元々本場アトランタでDJとして活動していてサウスシーンに詳しかったので、内容もDJ DRAMAのGangsta Grillzを日本語で展開する様な設定でプロデュースしました。ただその概念の普及には時間がかかると思いましたし、普及してもすぐに形骸化するだろうという予想を当時から二人でしていました。

両シーンに詳しい人として、今の日本のミックステープの文化や、シーン全体について、海外の人に知ってほしいことなどをきかせてください。

特に今の日本のミックステープの文化や、シーン全体に詳しい訳ではないのですが、既述の予想通り、日本のミックステープシーン自体は形骸化してしまったように見えます。海外の方々にとって真新しいほどの現象は起きていないのではないでしょうか。日本において、シーンとは市場ではなくコミュニティーの様相を帯びています。そこに競争原理が働かなければ、シーンとして海外に紹介出来るほど成熟することは不可能でしょう。また、より的確に作品を理解し、解釈、体系化できる評論家も必要でしょう。

そんな中、シーンと呼べるのかわかりませんが、ニコニコ動画がやはり面白いです。
二次使用の面白さが特筆されがちですが、アマチュアクリエイターのプラットフォームとして、海外のどのサイトと比べても非常に優れていると思います。supercellの活躍は優れた一例なのではないでしょうか。ただし、体系化が難しく、不完全さとかなり限定された趣向が好まれるので。、まだその意味合いを海外に説明するのは難しいかもしれません。

特に影響を受けたアーティストを5人ほどあげるならば、誰かいます?

Hans Zimmer, apoplexy
D’angelo, health
Trevor Horn, view
Pyotr Ilyich Tchaikovsky,Jimi Hendrix,Skreamなどでしょうか。正直、挙げたらきりがないです。日本では中島みゆきの詩の世界に非常に感銘を受けました。

今注目している日本語ラップのアーティストは?
昔から日本語ラップをほとんど聴かないので何とも言えませんが、日本の他のジャンルを見渡しても、Cherry Brownは唯一オリジナリティーがあって面白いアーティストだと思います。それこそ、日本におけるフリープロモーションに関しては彼が先駆者です。彼が的確に動けば、もう少し意義のあるコンテクストを内包した文化が形成されると思います。

ham-rのことを全く知らない、でもラップは好き、という人に、一番オススメな曲は?ミックステープは?
私の今までの作品は実験的で、全て数日で制作した非常にお粗末な物なのでお勧めも特にございません。
来年におそらく最初で最後のアルバムを発表できると思いますが、是非そちらをお楽しみ頂けたらと思います。